遠江のブログ

実在しないアイドルのこと

佐藤心が「私色ギフト」を歌うべくして歌った理由

佐藤心の努力は報われない。何故か。報われるとは社会から評価を獲得する事であり、彼女はそれに即した努力が精神的にも技術的にも不得意だから。

佐藤心自作の初期衣装を見ていただきたい。

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実に珍妙です。この衣装を身にまといエキストラ参加し、撮影に混乱を招いた迷惑な人物が佐藤心である。

そんな彼女の自作衣装ですが、たくさんのこだわりから成り立っている事に注目してほしい。独立した襟。型紙から自作したであろう1ボタンの変形ピークドラペルジャケット。ダブルフリルのついたバルーンスカート。そして羽。羽?羽とは???甚大な作業時間と労力と技術力を注いだ衣装です。どれほど強い期待や想い持って作り上げたのでしょうか。そして前述の通り、その努力は実りませんでした。努力の方向性選択が下手すぎる。この労力を最短距離とは言わなくとも、効率的に使っていけば真っ当に目標へと近づいて行く事ができるかもしれないというのに。

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(画像上)デレステSSRカード[はぁとトゥハート]特訓エピソードでは彼女の両親が放任主義であったという話がありましたが(画像下)モバマスぷちエピソードで語っていた、好きで好きでたまらない「歌う」ということが町内会の歌唱コンテストで抜群の好成績を収め、「自分の大好きな事と社会的評価が結果的に一致したという最高の成功体験」が彼女の本質を作ったのではないかと考えています。

そして彼女は26歳にしてアイドル1年生になります。やっとです。行動力の塊のような彼女が26歳までだらだらと生きて来たとは到底思えません。彼女がそこにたどり着くまで、時期により夢や目標が違うにしろ、どれだけの挑戦をし、どれだけの失敗を重ね、どれだけの苦渋を飲まされながら生きてきたのか。想像を絶するものだと思います。

そしてついに彼女の念願の初ステージ。2017年5月27日のTHE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!!石川公演DAY1です。佐藤心は「私色ギフト」を歌いました。

"一歩前へ その一歩が光へいつか届く

草むらでも歩けば ほら 道ができる

遠回りと言われたって私は成長中

失敗繰り返して『私らしさ』磨いてゆきたい"

と。

佐藤心は歌い上げました。

"あなただけが 私だけが 秘めている宝箱

自分のこと信じた時 蓋は開く

あの子だって 私だって 怖いのは変わらない

震える足踏み出せ!『私らしさ』みんなに見せたい"

と。7000人もの大観衆の眼前で。

この独白は、個性を尊重だとか、人と違ってるから良いだとか、そんな相対的なものではなく絶対的なものであり、佐藤心が二十数年もの年月をかけ心に書きした認めてきた、人生への挑戦状であり、人生へのラブレターでした。

努力の方向性選択が上手であれ下手であれ、社会で生きている限り成功の保証は無い。ただ、震える足を踏み出し続けるしかない。そんな佐藤心に私は心から尊敬の念を抱いています。